『文字をつくる 9人の書体デザイナー』という本を買った。
Amazonでも入荷が安定してなかったみたいなので、モード学園コクーンタワーの地下にできた、ブックファーストに行ってみたら、あっさり平積みされていました。
書体デザイナーという仕事に焦点をあてた、インタビューと書体制作の裏側がまとめられた1冊です。
パソコンで文字は手軽に扱えるようになりました。
もし、文字が打てなかったら?
あるいは自分の表現したい字が打てなかったら?
今やパソコンに搭載されている最大の文字数は23,058字(AJ1-6規格)。
これらの一文字ずつが、手書きなどの人の手によって描かれていることは余り知られていない。
まるで『水や空気のように』当たり前に存在する書体。
それらを作っている書体デザイナーが表に出てくるのは大変珍しい。
アドビが独自のツールを使っていることは噂されていましたが、その機能の一部が公開されているなんてのもマニア必見です(笑)
『駕籠に乗る人かつぐ人、そのまた草鞋を作る人』ということわざがあります。物事には、表面には出ないけれども、陰で支えになるいろいろな人の力がある。私はタイプデザイナーの仕事を、『そのまた草鞋を作る人』の、さらにそのまた『藁』を作っているんだと思っているんです。
小塚 昌彦氏(新ゴ、小塚明朝、小塚ゴシックなど)
読み終わって、内容には大変満足ですが・・・
せっかく書体デザイナーの本なんだから、本文は書体デザイナーが作った書体でわけて組めばよかったのに、と思いました。インタビューもあり、書体見本でもある・・・みたいな。
表紙もあっさりデザインしすぎで・・・平野甲賀さんに依頼して欲しかったかも(;´ー`)
見せ方は気になるところがありましたが、中身は特級です。
書体のことはわからない人でも、読める内容だと思います。
本誌にも登場している、字游工房・鳥海修さんデザインのキャップスオリジナル仮名書体「文麗仮名」「蒼穹仮名」の見本帳を取り寄せてみました。
すばらしいですね。
日本語は仮名が多いから、仮名を変えるだけでも雰囲気が変わります。
今のところキャップスさんにお仕事を出さないと使えないのが残念ですが、よい書体がバンバン出て欲しいですね。
フォント界のアイドル(笑) アドビの西塚さんも出ています。
ちなみに、わたしのストレッチDVDの冊子は西塚さんの作られた『りょうゴシック』で組んでいます。