久しぶりにすばらしい本を読んだ。
これはぜひオススメです。
西原さんといえば、自虐的な作風から逝っちゃっているイメージがありますが、その裏には人の倍は苦労して這い上がってきた恥ずかしがり屋さんなんですよね。
なかなか本人の口からは出てこなかった、土佐女子高等学校飲酒中退裁判の話も出てきます。
14年ぐらい前かな。某フリーライターさん(今は議員・笑)の著書を読んで知ったんですよね。その頃には『恨ミシュラン』とかで有名漫画家の一人になっていましたけど、学生時代は苦労していたんだなぁと。
一流企業の社長さんや有名コンサルの【カネ】の話は違和感があります。なんかキレイゴトなんですよね。記憶が美化されすぎているんでしょうか?
その点、本書はドロドロしてますが、これがホントの話。
子ども向けシリーズらしく、総ルビで読みやすく、世の中の真実がストレートに語られた一冊。特に道に迷っている大人や10代に読んでもらいたいです。
わたしも無一文で東京に出てきて13年・・・すごくよく分かる。
よく【やりたい仕事がない】という悩みがありますが・・・
憧れの高い収入を得るということは【ガマン料】も入っている。逆に生活をするのにギリギリの収入・・・バランスですが・・・
働くことは生きること。
【働くことが出来る】【働ける場所がある】
その意味をもう一度考えた方がいいと思います。
ただ、それはパソコンの前にも、家の中にもありません。
自分が動いて、感じるしかありません。
年間自殺者3万人の戦場のような日本。
生きて、働いて、生き抜いた先にナニがあるのか?
希望だけは捨てないで欲しいと思います。
【自分の真ん中はどこにあるのか】
【人間はお金がすべてではない】【しあわせはお金では買えない】と教育されてきて、今の時代それが言えるだろうか?
カネの話をするのは下品だとも言われているけど・・・いろいろと考えさせられました。
人が生きていくということは、もしかすると遠い家路なのかもしれない。
働くことも、お金も、みんな、家族のしあわせのためにある。
わたしは、いま、そう思っている。
働いてよかった。自分の仕事があってよかった。そのおかげで、病気だった彼をちゃんと看取ることができた。子どもたちにも、お父さんのいい記憶だけが残った。
お金には、そうやって家族を、嵐から守ってあげる力もあるんだよ。
いざというとき、大切な誰かを安心な場所にいさせてあげたい。
そう思うなら、働きなさい。働いて、お金を稼ぎなさい。そうして強くなりなさい。
それが、大人になるってことなんだと思う。
西原理恵子【この世でいちばん大事な「カネ」の話】より